よくあるご質問
よくある質問に対して、住職の知見から回答していきます。
もしこれら以外に聞いてみたいことがあれば問合せフォーム等からご連絡下さい。
- Q:なぜ「水子供養」と呼ばないのですか?
- お寺さん方もあまりご存知ないため今では一般化しておりますが、もともと「水子供養」という言葉自体がお寺に由来するものではないというのが前提にあります。
- また、ご遺族の方々とお話しする中で、「私たちが授かった大切な命なのに、水に流されてしまうようで辛い」という言葉をよく耳にしましたので、安易に使うべき言葉ではないと判断しております。
- ※「水子」という言葉自体はありましたし、赤ちゃんのご供養自体も昔からありましたが、昨今の「水子供養」としての概念やビジネスは近代以降のものです。
- Q: 赤ちゃんでもお葬式はするべきなんですか?
- 安養寺では赤ちゃん(流産や死産のお子さまも含む)に対しても相談に応じて大人と同じようなお葬式をさせていただいております。
- 赤子供養の場においては、よく「生まれることができなかったお子さまのために」という文句が謳われておりますが、お母さんのお腹に授かった時点で大切な命に違いなく、お生まれになり、お腹の中で生きてこられたのですから、差別なくお葬式をつとめるものだと考えております。
- また、ほとけさまとしてのお名前、「お戒名」もお授けしています。
- Q:子を亡くしてから時間が経つのですが、当時は考える時間がなくお葬式ができませんでした。
- 安養寺にいらっしゃる方々の中にもお葬式をなさらなかった方もいらっしゃいます。
- 安養寺で赤子供養をさせていただく場合、もしお葬式をされていない場合には始めにお葬式の儀式を行わせていただいております。そこから一般的な供養に進んでいきます。
- お葬式をしないとダメだとまでは考えておりませんが、少なくとも安養寺では順序立てて丁寧につとめたいと思っております。
- Q: 赤子供養のお布施はどのくらいですか?
- お布施は「お気持ち」が基本で「料金」ではなく、「商売」をしているわけではありませんので、明確にホームページ上で金額を並べることはできません。どうぞご容赦下さい。
- ただ、大まかな目安のお話だけさせていただくと、赤ちゃんの「ご法事」だと数千円ほど。早期流産や、あるいは中絶なさったお子さまの「お葬式」ですと、場合によりますが数万円ほど。死産や新生児以上のお子さまですと、より大人に近い形でつとめる関係でもう少しだけ金額は大きくなります(※枕経やお通夜、葬儀社でのお葬式、また亡くなって七日ごとにつとめる七日参りや四十九日法要などまでおつとめになるケースが増えてくるためです)。
- これらはあくまで目安です。一定の金額を頂戴しないと供養はしないなどということはありません。ご家族の皆さまとよく相談の上で決めていきますのでご安心下さい。お布施の額よりもまず、お子さまのために何ができるのかを第一に相談できればと思います。
- Q:お位牌は作った方がいいのでしょうか?
- お位牌はお子さまの依り代、居場所になりますので、作っていただいた方が良いと思います。
- また、ご家族が手を合わせることができる明確な場所にもなりますので、皆さんのためにも必要になると思います。今は赤ちゃん用の可愛らしいお位牌もございますので、お仏壇屋さんなどで聞いてみてはどうでしょうか。
- Q:自宅でできる供養はありますか?
- お位牌(あるいはお骨)の前で手を合わせ、お子さまが安らかでありますようにと念じていただくといいと思います。もしお仏壇などがあればお線香やロウソクをつけていただいたり、お位牌(お骨)の前にミルクやお菓子、離乳食などのお供え物をしていただくとなお良いかと思います。
- お経をお唱えなさる場合は各宗派の一般的なお経をお唱えいただければと思います。
- ※法事でお唱えするお経はこちらをご参照 仏事①
- また、お子さまを導いて下さる菩薩様として有名なお地蔵様の真言などは、普段お唱えするにはいいと思います(例えば7回)。
- 地蔵菩薩真言「オン カカカ ビサンマエイ ソワカ」
- 読む時は一拍ずつ「オン・カー・カー・カビ・サン・マー・エイ・ソワ・カー」など
- Q: 水子の祟りがあると言われたのですが?
- ありません。
- 現代に残る水子の祟りへの恐れについては、1970年代の「オカルトブーム」が大きく影響していると言われています。お子さまに対する罪悪感や後悔の念につけこんだある新興宗教団体が起源とされておりますが、そのブームの中で生まれ育ったお寺様や神社様の中にも、影響を受けられた方が多くいらっしゃるように感じます。
- 親が子を大切に想うように、子も親を慕うものです。そこに悪意などあろうはずがありません。ただお子さまが寂しい想いをなされないよう、親の皆さんが想いを致すことが大切です。赤子供養も、そのひとつだと思います。
- Q:納骨を早くしないとバチが当たると言われたのですが?
- 納骨の時期に期限はありません。忌明け(いみあけ:四十九日のこと)以降であればいつでも大丈夫です。人によってはずっと手元に置いてご供養なさる方もいらっしゃいますが、これも問題ありません。ただし、汚い場所に置いたり、ほったらかしにならないようにだけご注意下さい。
- 特にご両親にとっては、お骨は数少ないお子さまの生きられた証でもありますので、納骨はとてもお辛いことだと思います。よく相談して、お気持ちの整理ができてからゆっくりとお考え下さい。
- 自宅に安置する場合には法律的にも問題はありません。
- Q:何度も供養しないと浄化されないと言われたのですが?
- そのお寺(?)ではそのような考えのもとでなさっているのかもしれませんが、一般的な考え方ではないと言っていいでしょう。
- 供養は魂の浄化のために「強いられて」行うものではなく、ご遺族の皆さまの「子どものために何かしてあげたい」という素直な心の表れとして行うものです。そういう意味では、大切なお子さまのことを忘れることなく定期的に供養を続けていくことは、とても大切なことではないでしょうか。
- 供養(法事)の意味についてはこちら 仏事②
- 宗派、地域、ご住職ごと、考え方は様々あるので一概には否定できませんが、安養寺では根拠のない勝手な思い込みはなるべく切り捨てながら、供養の基本に立って赤子供養を行っていきたいと思っています。